音楽って


 不思議だなあ。

 プリミティブだった生物が、こういう、高度な構造物を産み出すに至るそのプロセス。無数の人々の苦悩と歓喜、泣き笑いと生と死の歴史、そのゲシュタルト

 高度な構造物というのは、
たとえばそれ自体として不可視であること、
たとえば個々の音の関係性、
たとえば時間軸を不可欠の要素としていながらX軸からZ軸までには必ずしも拘束されないこと。

 フィガロの結婚序曲を聴きながら思った。