夢、という言葉を使っている知人たちのメールや投稿を目にしていた。


 夢を持つという状態自体があまり理解できない。

 私の夢、というのは特にない。

 強いていえば、「こうであって欲しい状態」として、世界の悲惨な状態にある人たち、特に子供たちが、少しでも健康で愛を感じられるように状況が改善されたらいいなあ、とか。


 自分については特にないが、あえていえば、将来職を失って飢えたら嫌だなあとか、もう少し睡眠時間がとれるようになりたい、とか。

 ネガティブな状態にはなりたくない、とか、ネガティブな状態から改善されるといいな、とか。それは夢とは多分呼べない。


 夢と呼んでおかしくないものを思い出した。映画「トラフィック」 - 夏のひこうき雲

 映画の終盤に「報酬はいらない、その代わりスタジアムに夜照明を点してくれ」というようなやりとりがあったのを憶えている。子どもたちが夜行くところがないから犯罪に手を染める、遊び場を確保したい、という意味のことを言っていた。

 この捜査官の夢、これはまさしく夢だと思う。そして夢が実現した、映画の中では。