ふと

 ふと気づいたのだが、ひょっとしたらもう人生の半分ぐらいを生きたのかもしれない。

 何も為していないな。
 無為に苦悩して、ときどき冗談を言って、茶碗を洗い洗濯し、そんなぐらい。まあ、仕事の成果が本に載ったりとか、いくつか小さな足跡は残したが、あまり意味を感じない。

 知ってる人や知らない人を怒らせたりもしたけど、笑わせたり喜ばせたりもできた。そういうささやかな記憶が救いだな。
 と書いていて、理不尽な怒りや憎しみをぶつけてきた人たちのことを思い出すと、自分がかなりましに思えて楽。あまりよろしいことではないが。

 ご同輩たち、まあせいぜい頑張りましょうや。