昔の写真
自分の昔の写真を家族と見ていた。
ちょうど小学校に入る前、5歳か6歳ぐらいだろうか。両手のピースサインで顔を両側からはさむようにして唇を突き出していたり、口を大きく開けて全身で何か大笑いしていたり。どの写真を見ても、無邪気でひょうきんな子がそこにいた。
そういう写真の一枚目を見たとき、それが自分とは思えなかった。何枚か似た写真を見てやっと納得した。
数年前の写真も見た。今より太っていて、無表情だった。
あの幼い子を待っていたのは、けっこう過酷な日々といくつかの大きな挫折で、それが数十年を隔てた写真の落差に現れていた。自分のことながらむごい気がする。周りの小さな子には、もっと明るい未来が待っていてほしい。
しかし、あのひょうきんな、全身をよじっていつも笑っていた子の未来は、この私が、よい方向に守り導くことができる。それがうれしい。
私はまだ生きていて、あの子は私として生きている。あの善良で優しく(他人のことのようにいくつかのエピソードを思い出す)ひょうきんな子は、だいぶ疲れてひねくれてしまったけれど、その人生はまだ続いている。これからどうなっていくかは、私にかかっている。
自信を失いかけていた中で、自分が本来持っていた爆発的な明るさを思い出すこともできた。
明日の仕事に向けて今夜もこれからひと仕事ふた仕事しなければ。
がんばるぞ。