無題


 節目節目にはある重大な局面があって、そこで勝負に出るかどうか、あるいはどう
出るかが大きな分かれ目になる。勝ち負けや損得じゃなくて。正しい正しくないとい
うことでもない。

 私なんかはまさにこのような道すじでしかありえなかったんだろうと思う。やや自
嘲もある。

 もっともこのような道すじをたどってきたからこそ、その結果として形成された私
がそのように感じるのかもしれない。

 間違っていたとも思わないけど、その時々で捨ててきたもの・あきらめてきたもの
をたまに振り返る。感傷的になるというのとも少し違う、が。

 今こうしてここにいることの不思議を思う。